ヨシュア記 第9章1~15節「救いに至る賢さ」

ここには、イスラエルの民を騙して、策略によって滅びを免れた人々のことが語られています。彼らギブオン人は、本来ならば滅ぼし尽くされるはずだったのです。それは彼らがイスラエルに太刀打ちできない弱い民だったからではありません。
しかしギブオンの人々は最初から戦うことを放棄しています。その思いが24節に語られています。「あなたの神、主がその僕モーセに、『この地方はすべてあなたたちに与える。土地の住民をすべて滅ぼせ』とお命じになったことが僕どもにはっきり伝わってきたので、あなたたちのゆえに命を失うのを非常に恐れ、このことをいたしました」。主なる神がこの土地の住民を全て滅ぼせとお命じになったから、自分たちはいくら戦っても勝ち目はない、ということを彼らははっきりと自覚しているのです。
主なる神の前ではもう滅びるしかない、その事実をはっきり認めた上で、その滅びから何とかして逃れるすべはないかと彼らは必死で考え、策略を立て、それによってついに滅びを免れたのです。彼らのしたことは、同盟してイスラエルと戦おうとした他の王たちと比べて、いかにも弱腰の敗北主義に見えます。
しかし結果的には彼らは、他の王たちよりもはるかに賢い、適切な行動を取ったのです。

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