本日の聖書箇所は、士師記全体の要約であると言えます。ここから私たちは、士師記全体が伝えようとしているメッセージを読み取ることができます。それは、繰り返し繰り返し神に背き、その結果苦しみに陥っていくイスラエルの民に対する主なる神の、怒りと怒りつつなおも憐れみをもって救いのみ手を差し伸べて下さる神の愛です。繰り返し恵みを忘れ、契約の愛を裏切ってしまうイスラエルの民に、主なる神は、性懲りもなく、と言えるほどに忍耐強く、士師を送り続け、契約の関係、愛の関係を回復しようとして下さいました。
しかし、士師の働きによって神との正しい関係を回復することができなかったイスラエルの民に、神は、民の求めに応じて王を立て、なおも民を導こうとして下さいます。このように、士師の時代から王国時代への転換は、主なる神のイスラエルの民に対する働きかけ方の転換です。しかしそこに示されている主なる神のイスラエルへの愛の思いは一貫しているのです。
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