18章も偶像の本質を描いています。人間が自分のために造った偶像は、人間の他の所有物と同じく、奪ったり奪われたりするのです。そこにあるのは、結局人間の利己心です。その中で、偶像に仕える人間は偶像に仕える人間によって裏切られる、ということもここに描かれています。ミカはあの偶像のために大金を払い、さらに神殿を建て、又、レビ人の若者を雇うために随分多くのお金をつぎ込み、さらに息子のようにかわいがったのです。しかし彼は、ダン族の人々からより良い条件を示されるとミカを裏切り、さっさとそちらに鞍替えしてしまいます。元々、ミカが自分の幸せを求めて造った偶像に仕えていた祭司が、今度は自分の幸せを求めてより良い条件に飛びつくのは自然なことです。彼らは二人共結局のところ自分のために神ならぬ偶像を利用しているのです。
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