出エジプト記1章22節~2章10節「ドラクエ11のモチーフ?! モーセの母親の名前は何でしょう?」

説教

本日は母の日です。南北戦争時、敵味方関係なく負傷兵の環境改善に人力したアン・ジャービスを偲ぶ会を彼女の娘が彼女が教会学校の教師をしていた教会で1907年5月の第二日曜に始めたのが起源とされます。この時娘のアンナが母アンが好きだった花を出席者全員に配り、その花がカーネーションだったと言われています。さて、そんなわけで今日は出エジプト記のモーセの母にスポットを当てたいと思います。

説教の冒頭、ドラゴンクエスト11のプロローグ映像のお話をしました。モーセが赤ちゃんの時に籠に入れられ川に流されて、九死に一生をえるという話をモチーフにしているのです。
ドラゴンクエストシリーズの生みの親、堀井雄二氏は聖書を含めて西洋の神話に造詣が深い方なんです。このプロローグ映像がどれだけ作りこまれているかというとこの映像の1分40秒頃、ドラゴンクエスト11の主人公である赤ちゃんは母親に頭も支えるようにして抱っこされています。首は座っていないのです。ところがこの動画の終わり頃、この主人公が籠で川に流された先で拾われたときは両脇から抱え上げるように抱っこされて喜んでいます。つまり、この主人公が命狙われ、母親たちによって籠に入れられ川に流されて九死に一生を得るという事件が起きたのは、主人公の首が座るころ、つまり月齢3か月前後だったことが映像から示唆されるのです。
さて、「オリジナル」である聖書の方を見てみましょう。
旧約聖書出エジプト記2章1~3節
レビの家の出のある男が同じレビ人の娘をめとった。彼女は身ごもり、男の子を産んだが、その子がかわいかったのを見て、三か月の間隠しておいた。しかし、もはや隠しきれなくなったので、パピルスの籠を用意し、アスファルトとピッチで防水し、その中に男の子を入れ、ナイル河畔の葦の茂みの間に置いた。
やっぱ堀井雄二は凄い、モーセとドラクエ11の主人公の月齢まで合わせてくるとは…
お知り合いにドラゴンクエスト好きがいらっしゃったらば、話の種にでもしてくださったら幸いです。

 

さて、話を本題に戻します。
出エジプト記の冒頭、エジプトに寄留するユダヤ人の人口が急増するのをみてエジプトの王ファラオはユダヤ人の男児を殺害するように命令します。
そんな中モーセは生まれ、母親は信仰によって自身がつかまったり、罰せられたりするのも畏れず、赤ちゃんモーセを匿いました。聖書の中で母親の愛はその対象は自分の子どもだけに限られますがその愛の深さは神の愛にたとえられることが多く、モーセの母親は愛に満ちていたといえるでしょう。生後3か月がたって、とうとう匿いきれなくなったころ、パピルスの籠に瀝青(アスファルト)と樹脂(ピッチ)で防水加工をしモーセをナイルに流しました。誰かに拾ってもらうことに期待したのです。そういうアイデアが浮かぶという意味でも彼女は知恵に満ちていました。赤ちゃんモーセが入った籠はエジプトの王女によって拾われ、その後モーセの姉であるミリアムが機転を利かし、王女に自身の母をモーセの乳母にするよう進言します。母親は国によって殺されそうになっていた実子モーセを国から手当てをもらいながら育てることになりました。あからさまにモーセをユダヤ人として育てることは出来なかったでしょう。また、乳母ですから、子育ての全期間を見るわけではなくて、途中で別れることになりました。そこには神様に委ねる信仰に満ちていたに違いありません。しかし、モーセには母親を通じて自身がユダヤ人であるというアイデンティティとユダヤ人を導く聖書の神様への信仰が宿っていました。

ちなみに説教題にあるモーセの母親の名前は何でしょうという問いの答えですが、ヨケベドと言います。(出エジプト記6章20節、民数記29章59節)、彼女は愛と知恵と信仰に満ちており、ユダヤ人の指導者モーセ、大祭司アロン、女預言者ミリアムの三人の子の生みの親となりました。

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