エペソの信徒への手紙 第2章1~10節「圧倒的な恵み」

10月31日は宗教改革記念日です。今週から3回にわたって、その宗教改革の3要点、聖書のみ、信仰のみ、恵みのみを学んでいきます。(ラテン語で「~のみ」は「sola ~」と表すので、この要点のことを一般に「3つのソラ」と言われます)。
Sola gratia「恵みのみ」の教理はカトリック教会からは、倫理を破壊して無秩序と混乱を生む考えであるとして激しく論難されました。確かに、自堕落なキリスト者に「恵み」という「アメ」ばかり説いていてはますます、堕落するので少しは「善行を積まなければならないよ」と、苦言を呈したくなるのは道理としてわからなくはありません。しかし、聖書はそうは語らない(と少なくともプロテスタントの学者は理解した)のです。
エペソ書はわずか6章の短い書簡ですが、その中で恵みという単語が13回も頻出します。私たち人間を神が愛したその源も恵み、私たちを愛する理由も恵み、キリストの十字架も恵み、恵みを理解できない足らずまいを埋めるのも恵み、そもそも救われる機会を人にあたえられたのも恵み、私たちの信仰が今あるのも恵み、死から命に移されたのも恵み、キリストに仕えることができるのも、キリストを伝えることができるのも恵み、私たち一人一人に与えられた才能も恵み、成長できる伸びしろがあることも恵み…神は「恵みボケ」している信者にさえ、なお一層圧倒的な恵みをといて恵みによって奮い立たせてくださるのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました