ハガイ書2章20~23節 イエス様のファミリーヒストリー

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イエス様のファミリーヒストリー

ハガイ書2章20~23節 イエス様のファミリーヒストリー

小預言書は前721年の北イスラエル王国の首都サマリア陥落以前か以後か、前586年の南ユダ王国の首都エルサレムの陥落及びバビロン捕囚の以前か以後から区別されますが、ハガイ書はその586年よりさらに後の預言者です。南北両王国共に滅び、永遠の都エルサレムも陥落し、もうおしまいだ、とユダヤの民はそう思ったことでしょう。しかし、国滅びてもなお神は約束の民を導き続けました。エレミヤ書の25章12節にバビロニア帝国による捕囚は70年間で終わることが預言されていたのです。

見よの民はバビロンの王に七十年の間仕える。 七十年が終わると、わたしは、バビロンの王とその民、またカルデア人の地をその罪のゆえに罰する、と主は言われる。そして、そこをとこしえに荒れ地とする。 エレミヤ書25章11b~12

 

 さて、わたしダニエルは文書を読んでいて、エルサレムの荒廃の時が終わるまでには、主が預言者エレミヤに告げられたように七十年という年数のあることを悟った。ダニエル9章2節

かくして預言通り、支配者たるバビロンは滅びてペルシャ帝国が興り、彼らによって、ユダヤの民がエルサレムに帰還することが許されました。そして、大祭司ヨシュアとダビデ王家の後胤であるゼルバベルの元、生活が再建され始めたのです。(エズラ記1~6章)。ハガイ書はその再建途上の前520年ごろにかかれたものです。ハガイ書1章では、帰還した民が神殿再建よりも自宅再建を優先していることを糾弾します。民はそれに応答し、神殿再建にとりかかった事がエズラ記5章1~12に記されています。再建に着手してから一か月後、再建途中の神殿がソロモンが建立したそれと比べて明らかに見劣りするので士気が下がっていました。ハガイ書2章では今はみすぼらしく見える神殿がイザヤ9章、60~62章、ミカ書4~5章に描かれた新しいエルサレムに繋がるものだから気落ちせずに事業に取り組むようにと民を鼓舞します。ハガイ書2章中段ではレビ記を引いて、宗教的に汚れたで食物を触ると食物も汚れるという律法の規定を引き合いにだし、神殿再建に関しても神様の契約に対して誠実であることを求めます。不正や汚れをあらためないなら神殿再建も失敗する。事業が進まないのは、神様が遅らせているのではなくてあなたの心が不誠実であるから誠実になるのを神様が待っておられるのだと語ります。 後胤ゼルバベルはハガイ書の最後にかかれたメシヤ預言を自分の事だと勘違いしてしまったのでしょう。ペルシャ当局から目をつけられたのでしょう。忽然と歴史の表舞台から消えます。マタイ福音書1章にイエス様の家系図が載っていますが、ゼルバベルから先は行方知れずです。子、孫、曾孫、玄孫、来孫、昆孫、仍孫、雲孫、そして、ゼルバベルの雲孫の子にイエス様の父、ヨセフが生れます。人々の不信仰ゆえにダビデ王家は没落しましたがそれすらも神様はリカバリーしてくださり、救い主を生れさせてくださり、貧しさすらも私たちの益としてくださったのです。

※サムネルはバルトロメ・エステバン・ムリーリョ作「小鳥のいる聖家族」

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