ヨエル書3章1~5節 マイナーな聖書の預言書を開こう ヨエル書

ジョン・マーティン作「大いなる怒りの日」 説教
ジョン・マーティン作「大いなる怒りの日」

小預言書をみるときに、北王国か南王国か、またいつの時代を指し示しているかをみるようにとお話ししてきました。しかし、このヨエル書は扱っているテーマが大きいため、諸説あります。そして、その預言は重層的です。また、神様が歴史に介入され強く働かれる日「主の日」についてもっとも強調して書いている書でもあります。ヨエルは執筆当時の喫緊の災いである蝗害について書きます。それは過去出エジプト記の中でエジプトを襲った10の災いの8番目を想起させるいつか来た道であることを伝えつつ、この警告への応答として神の前への真摯な悔い改めをうながします。この蝗害は未来におこる蝗のような軍隊の侵攻による滅びへの警告でもあり、それこそまさに主の日であり、その主の日に対して真実な悔い改めをするなら、イスラエルではなくて、異邦人を含めた全人類に神の霊が降りてきて救いをもたらすという大きな青写真を提示します。それをペンテコステにペテロが引用したのです。ヨエル書は小さな預言書なのですが、扱っているもののスケールが極めて大きいのです。

たとえば、近所に出歩くのに街路図ではなくて世界地図を持っていくのは間違いですし、一日の中で晴天から曇天になったことで気温低下したのに、その気温低下をもって、一年間の気温の変化である冬の到来によるものと断定するのも間違いです。

聖書の中でも良いこと、悪いことの波があります。例えばエレミヤは良い預言者ですが、彼が生まれた時代が王国滅亡の時代であったがために、彼自身は多くのわざわいに見舞われます。しかし、それはエレミヤという預言者が悪い預言者であることを意味しません。

では、聖書において最も大きな波長の歴史の波はなんでしょうか?

それは創造、堕落、再創造という神様が私達に聖書を通じて啓示してくださった最も大きな救済史を意識しながら信仰生活を送りたいものです。

※サムネイルはジョン・マーティンの最後の審判三部作の第二部「大いなる怒りの日」です。

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