イザヤ書 第11章1~10節 アドベント「イザヤの預言」

イザヤは、紀元前8世紀から7世紀にかけて活躍した預言者です。イスラエルの国は北イスラエルと南ユダの二つの国に分かれていて、イザヤは南ユダで活動していました。イザヤの時代は西のエジプトよりも東のアッシリア帝国のほうがはるかに強い国で、BC721年に北イスラエルはアッシリアによって滅ぼされてしまいました。イザヤ書は、北イスラエルに続いて南ユダも滅ぼされそうな時代に書かれました。北イスラエルの多くの人がアッシリアに連れて行かれていましたので、南ユダの人々も、自分たちの国も滅ぼされるかもしれないという恐れでいっぱいの中、イザヤは人々に向かって神様からのメッセージとして語りました。1節の、エッサイとは、今から3000年前にイスラエルの王であったダビデの父親です。救い主がダビデの家系から生まれることはイザヤよりも前の時代にすでに預言されていました。エッサイの株とはダビデの家系を意味します。株は木が切り倒された後に残った部分です。ダビデが紀元前1000年に築いた王国はその後、南と北に分裂し、北はすでにアッシリアによって滅ぼされ、南ユダ王国も、いつ滅ぼされるか分からない状況であり、そして歴史的にはBC568年にアッシリアの後にメソポタミアを支配したバビロン帝国によって滅ぼされてしまいます。イスラエル民族は切り倒されて残った切り株のような状態になっていました。しかし、神様は決してエッサイの根株をそのままにしておかれません。死んでしまったように見える切り株から一つの新しい芽が生え出ると、神様はイザヤを通して預言されたのです。

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