コリントの信徒への手紙一 第9章24~27節「聖書の中のオリンピック」

夏季五輪が自国開催されることも半世紀に一度あるかないかの出来事でしょうから、会期中にオリンピックの話題に触れておきましょう。1896年に近代オリンピックが始まったわけですが、聖書の中のパウロの在世時もオリンピックはありました。もっとも、それは紀元前776年から紀元後4世紀まで行われていた古代オリンピックの話です。そして、パウロの欧州最初の伝道の地は、このオリンピック発祥の地ギリシャであり、新約聖書はギリシャ語で書かれ、本日のテキストの舞台「コリント」も「オリンピア」も同じギリシャ西南のヘロポネソス半島にあります。パウロはコリント書9章末で宛先のスポーツのさかんなギリシャ人クリスチャンに伝わるようなたとえ話をしています。彼は、賞を得るために、失格者とならないためにスポーツ選手がどれだけ節制をするかを説き、伝道をするにおいても、節制する自分に見習ってほしいと読者に奮起を促すのです。しかし、ここにはパウロならではの修辞があり、反語が使われているのです。パウロの本懐は、「伝道に励まなくても救いは絶対にとりさられることはない!だから『こそ』伝道に励もうではないか」といっているのです。

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