生きるのが辛い時に聞いてほしい話
最近、有名人の自死が立て続けに起きたので、それらのニュースによって、負の連鎖が起こらないためにも、聖書の中の登場人物で熱心な信仰者であっても鬱になり、自死を願った者がいることを知って頂けたらと思います。モーセ、エレミヤ、ヨブ、ナオミ、サウルなど約10人の人々が神からの使命の大きさにうつになり、苦悩する様子が聖書の中から読み取れます。また、決して彼らは不信仰から鬱になった訳でもないのです。聖書は、そこから回復していく様子も描かれています。
ヨブは自分の子どもたちに先立たれ、それだけなく、重度の病に冒されてその容貌は見る影もないほどでした。ヨブの妻は「どこまでも無垢でいるのですか神を呪って、死ぬ方がましでしょう」というほどでした。この発言は一見すると不信仰な悪魔のささやきと一蹴することもできますし、愛する者が苦しむ姿を見るに堪えかねないから発言とも受け取れます。ヨブの妻の中では辻褄のあった言葉だったのかもしれませんが、そうやって神を呪わせ信仰を失わせることこそがサタンの計画であったとヨブ記は冒頭で記しています。ヨブも決して自死を選びはしませんが続く3章で「自分は生まれてこなければ良かった」と正直な気持ちを神様に吐露します。その中でヨブの3人の友人が「因果応報思想」にのっとった間違ったカウンセリングを行います。ヨブは神様に助けを求めながら、三人の友人たちの間違いも正さなければなりませんでした。以降40章にも渡る長いヨブ記の中で、ヨブは神の偉大さを教えられ、自らの正しさを自らがジャッジすることのおこがましさを神様に気づかされ、また、正直に神様に気持ちを吐露することの大切さを教えられます。その中では彼は神と人との愛さの仲保者の存在を切実に求めます。そう、この書は私たちに正直に神様に本音トークをする上で仲保者イエス・キリストが必要である(ヨブ9章33節)ことも教えているのです。
※サムネイルは「ヨブと彼の友」イリヤ・レーピン作
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