使徒言行録 第9章36~43節「針子の聖人」

使徒言行録9章にはヤッファという町にドルカスという女性がいたと記されています。彼女には預言者、牧師、伝道者、長老、執事といった肩書は付されていません。ただ女性にして「弟子」だったと記されています。
そして、彼女の功績として、雄弁に何人もの人に伝道した…という訳ではなくて、やもめたちに何枚も上着や下着を作ってあげていたことが、聖書に覚えられています。
彼女はカトリック、東方正教会、ルーテル教会、聖公会で聖人として顕彰されています。まさに針子の針仕事が聖人認定されているのです。このドルカスの記事は福音宣教とは何なのか?伝道すべき隣人とは誰なのか?天に宝を積むとはどうすることなのか…私たちの固定概念を突き動かします。
私たちの中には、感動的なメッセージをする大説教者、牧師が指導者で、その指導者の働きによって教会が成長し、私たち信徒はその指導を仰いで付き従っていく…そのような勝手なイメージをもってしまっていないでしょうか?
良い意味で私たちの固定概念は突き崩されるべきなのでしょう。現にこの奇蹟にかかわったペテロでさえ、本章から次章にかけてその認識を聖霊によって根底から突き崩されるのです。

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