ルカによる福音書2章8~21節「エヴァンジェリスト第一号」

説教

エヴァンジェリストとは「福音宣教者」のことですが、最近ではIT業界を中心に商品の素晴らしさを顧客に分かりやすく伝える営業マンのこともエヴァンジェリストというそうです。本日のテキストでは天使を通して救い主の誕生という「福音(良いニュース)」を世界で一番初めに聞いた人物で、また世界で最初のエヴァンジェリスト(福音を告げ知らせる者)になった羊飼いにスポットを当てます。聖誕劇ではそのあと間をおかずに東方の三博士が来たことになっていますが、訪れた場所が馬小屋ではなく「家」となっており博士たちの来訪はキリストの誕生後随分と日がたってからのことのようです。 旧約聖書ではダビデが羊飼いで、イエス様も羊飼いを度々好意的に取り上げますから、私たちは誤解してしまっているかもしれません。新約聖書の時代、ユダヤ教の礼拝に羊は欠かせないものであったにもかかわらず、羊飼いは定期的な休みが取れないために安息日を守ることができず、暑さ、寒さに耐えなければならない過酷な労働環境で、時には野宿を要し、匂いもきつく、羊や他の獣の遺骸に触れれば汚れたものとされて礼拝から除外され(レビ11:39)、多くの者は文盲で、貧しく、どちらかといえば疎んじられた社会的弱者でした。 一般に、慶事の第一報は大事な人に伝えますが、キリスト降誕の第一報が皇帝アウグストでもなく、ヘロデ大王でもなく、ユダヤ教の大祭司でもなくこの貧しい羊飼いに伝えたのは神様の意思でした。羊飼いに伝えられた福音は彼らだけにとどまることなく、喜びを爆発させた羊飼いを通してさらに多くの人に伝えられたのです。キリストの福音は教会で、重んじられている毎週通うクリスチャンホームのためというよりも、「俺にはキリストなんて関係ない」と思い込んでいる人、また、「あの人はクリスチャンになりそうもない」と周囲に思われている人にこそ向けられた、良き知らせなのです。さあ、私たちもこの「福音」を、この「良き知らせ」を、この福音からもっとも遠いと思われている、思い込んでいる人につたえようではありませんか!

サムネイルはアニメの方のエヴァンゲリオン(出典:amazon.co.jp)

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