マタイ2章1~12節「世界で最初のクリスマスプレゼント」

説教

本日はボクシングデーです。英連邦では、プレゼントボックスを開ける日、また、クリスマス当日に大量のプレゼントボックスを休まず配達してくれた郵便配達夫や配達業者などを慰労する日でもあります。その日にちなんで、今日はキリストに世界最初のクリスマスプレゼントを献上した「東方の三博士」に焦点をあてます。しかし、彼らは3人でもなければ、博士でもありませんでした。3というのは贈り物が、3種類だったことに起因するだけで聖書に人数は書いていません。むしろ、東方から砂漠越えしてやってきたのですから、大使節団を編成していた可能性があります。また、博士というのは古い日本語訳に起因するもので、原文ではマゴス(複数形)と書いています。マギ(単数形)は英語のマジシャン、マジックの語源であり、博士というよりは、「星占いの呪術師」というのが実態に近いでしょう。とはいえ、古代バビロニア、ペルシャの天文学の発展はすさまじいもので、何十年先の日食や月食さえも正確に予測できていたようです。天文学を元に暦が制定され、暦を元に農業の作付日等が決められた訳ですから彼らが国の命運を握っていたといえます。つまり、東方の、おそらくペルシャの国の経済企画庁長官クラスの人間が大使節団を編成してエルサレムに来たのであり、だからこそヘロデ大王との謁見もかなったのでしょう。彼らは正統なユダヤ教徒ではありませんが、かといって聖書を全く知らなかったわけでもありません。エステル記やネヘミヤ記に出てくる「スサ」とは今のイランイスラム共和国のフーゼスターン州シューシュであり、確かにかの地に聖書が伝播した形跡が聖書自身に記されているのです。彼らが、キリストをどのような存在と理解していたかは彼らが用意した贈り物から推察できます。黄金は対象者が王であること、乳香は対象者が神であること(レビ記2:2)、没薬は対象者が受難すること(ヨハネ19:39~40)を分かっていたからこそ捧げたといえます。この供物は聖家族がエジプトへの逃避行の旅費として大変役立ったことでしょう。一説によれば乳香は当時同じ重さの金と同じほどの価値をもったともいわれます。聖書と縁遠く、聖書が伝播して何百年たっても、キリスト教・ユダヤ教人口1%未満の非キリスト教国の民(アウトサイダー)がキリストへの拝謁が叶ったということは、キリスト教が伝播して400年以上たち、クリスチャン人口1%未満の現代日本もまた同じような境遇であり、この東方の占星術の学者のキリスト訪問は私たち日本人への福音といえます。

サムネイルは ベノッツォ・ゴッツォリ作 「東方の三博士の旅路」
※日本語訳だと東方の三博士となるが、現題には「Magiの旅路」となっており、そして絵をみれば分かるがこの旅が3人ではなく大名行列のような一団だったと考えられて描かれている。

 

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