列王記上19章1~18節「引きこもりになった預言者」

eriya.jpg 説教
ダニエレ・ダ・ヴォルテッラ作『預言者エリヤ』

列王記上19章1~18節「引きこもりになった預言者」

1998年WHOの健康の定義として身体的、精神的、社会的健康に加えて霊的(宗教的・スピリチャル)な健康も必要であると定義されました。引きこもりは英語でもHikikomoriといわれます。それほどに日本人、日本社会に多い病理なのでしょう。私の身近な親族の中にもひきこもりになった者がいました。牧師として当事者の自宅を訪問してかかわったこともあります。今日の聖書個所は引きこもりの治療法をのべたものではありません。ただ、聖書が神の完全性と人間の不完全性を語る中で、洗礼者ヨハネの並び称される旧約聖書随一の預言者エリヤであっても現代で言うところの引きこもりの症状に悩まされたこと知って頂ければと思います。干ばつを預言し、三年半辛酸を舐め、カラスが運ぶ偶像に捧げた供物を食べる屈辱を耐え、850人の異教の預言者との対決を征する信仰を持っていた彼でも、たった一言、イゼベルの脅迫で心折れてしまいました。そこで、死んだ方がマシだと希死念慮にとらわれます。他者から見て理不尽であっても、心の「疲労骨折」をすることがあります。彼には、短期から中期の休養が必要でした。エリヤは自分は孤独であるという自動思考にとらわれていましたが、環境が変わったわけではなく自分は孤独ではないと認識を神様から変えられることで回復していきした。

サムネイルはダニエレ・ダ・ヴォルテッラ作『預言者エリヤ』

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