デカポリス

説教

マルコ5章1~20節 墓場から家へ、社会を変える福音

今朝、私たちに与えられている御言葉は、少し不思議で、少し怖くて、しかし最後には深い慰めに満ちた物語です。ゲラサ人の地方で、悪霊に取りつかれていた一人の人が、主イエスによって救われる物語です。この人は、墓場に住んでいました。家ではありません。町でもありません。人の生活の場ではなく、死者のいる場所です。しかも、彼は鎖でつながれていました。足枷もはめられていました。しかし、彼はその鎖を引きちぎり、足枷を砕いてしまう。人々は彼を恐れました。家族も、近所の人も、村の人も、どうしてよいか分からない。どうにもできない。だから、彼を墓場に追いやったのです。これは、ただ「昔は精神病の理解がなかった」という話だけではありません。もちろん、現代の私たちは、病を悪霊と短絡的に結びつけてはいけません。心の病、発達の課題、依存症、孤独、トラウマ、そういうものに苦しむ人を、「信仰が足りないからだ」「悪霊のせいだ」と決めつけることは、福音ではなく暴力です。