南シナ海問題

教会と国家

自由で開かれたインド太平洋を神学してみた

「海は誰のものか」。この問いは、古いようでいて、実はきわめて現代的な問いです。今日、日本を含む多くの国々は「自由で開かれたインド太平洋」という言葉を用いています。けれども、その根底にある問いは意外なほど単純です。海は、力ある国が囲い込んでよいものなのか。それとも、国々の共有の通路として開かれているべきものなのか。この問いに、近代の初めに大きな答えを出した人物が、フーゴー・グロティウスです。日本では「国際法の父」と呼ばれることが多い人物です。彼は単なる法律家ではありません。オランダの人文主義者であり、法学者であり、外交官であり、そして神学者でもありました。しかも彼はプロテスタント教徒でした。その彼が、カトリック帝国による海の独占を批判し、「海は自由である」と主張したのです。